INTERVIEW

人材・営業力・設備で持続的成長を
澤山 勝 専務取締役

次の 100 年に向けた持続可能な成長で必要なことは。

持続可能な成長のためには人材の確保・育成、営業力強化、設備の更新・新たな設備の導入を継続的に行っていかなくてはいけないと考えている。
とくに大事なのは人材の確保・育成だ。労働人口の減少により建設関連業界は担い手確保が課題となっており、人材が取り合いになる状況も続くだろう。そうした状況で、いかに必要な人材を確保していくか。とくに技術職を確保し、育成していくことが重要だ。
また、中期経営5カ年計画では 2028年3月期に売上高 80 億円、経常利益8億円という数値目標を掲げている。今まで通りの取り組みでは達成が難しいことから、新製品の開発や新規市場の開拓が求められる。そのためには営業力の強化が必要となってくる。

人材確保に向けた取り組みは。

まず当社が魅力ある会社にならなくてはいけない。事業内容については、社会インフラの整備や防災・減災、安全に資するものであり、社員全員が誇りを持って取り組むことができる事業であることは間違いない。あとは、持続的に成長していくという姿勢を会社が社員に示していくことが必要だ。そのために、給与水準の向上や労働環境の改善、社員研修制度の充実、資格制度の導入などに取り組みたいと考えている。

新製品開発や新規市場の開拓について。

ニーズに応え、需要が見込める製品開発・市場進出を行うため、ゼネコンをはじめとしたユーザーに対してニーズの調査を行っている。創業から100年間に培った技術力を強みに、プレキャスト(PCa)化が求められている製品の開発を行いたい。

営業力強化の取り組みは。

営業担当者がそれぞれ持っている情報を、個人の情報から組織の情報に拡大していく必要がある。IT 化や DX を積極的に導入することで、書類作成や進ちょく管理など営業活動の周辺業務の効率化を図りつつ、組織として情報を蓄積して効率的な営業活動を行っていきたい。

設備の更新・新たな設備の導入について。

老朽化した設備の更新は生産性の向上が図れるうえに、工場での作業環境改善につながることも期待できる。改造・転用しやすい型枠構造の研究など既存製品の生産力増強につながる検討を進めるとともに、新製品開発に向けた新たな設備の導入を行っていきたい。

カーボンニュートラルの実現に向け脱炭素化が求められている。

コンクリート製品製造時のCO2排出量を削減するためには、蒸気養生の際のエネルギー消費量の低減が必要になる。 蒸気養生の効率化を進めるとともに、蒸気養生が不要な製品の開発なども行う方針だ。工場設備では、建屋の屋根などに太陽光発電設備を導入していくほか、電気式のフォークリフトの活用や照明のLED 化などに取り組むことでCO2排出量削減を進めていきたい。
また、低炭素型のコンクリート製品の製造にも取り組んでいく。セメントを全く使用せず、CO2排出量を大幅に削減できる次世代コンクリートの協会に会員として参加し、実用化や普及に取り組んでいく方針だ。
低炭素製品の製造体制を整備して、お客様に求められた際にすぐに提供できるようにしておく必要もある。国土交通省では、高炉スラグ微粉末のセメント置換率を 55%以上とした無筋の PCa 製品(18N /㎟および 24 N /㎟)を「低炭素型コンクリートブロック」としてモデル工事への活用を進めている。当社でも高炉スラグ微粉末をセメント置換で 55%以上使用したコンクリート製品について独自に実験・研究を行っていきたい。

今後の展望を。

建設現場の労働力不足が深刻化し、現場の省力化・省人化、周辺への影響を最小限にする工期短縮につながる PCa 化の役割はますます高まっていくことになる。営業・技術・生産の各担当が連携してユーザーニーズに応じた PCa 化の提案が行える体制づくりを行いたい。
メーカーにとって製品の品質向上やコスト削減の努力に終わりはない。次の100年に向けて、しっかりとバトンを渡すためにも、IT化やDXなどあらゆるものを活用して品質向上やコスト削減を行い、お客様に喜んでいただける製品づくりを続けていきたい。

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